進化の命題(トランスフォーマー博 TF EXPO TRANSFOMERS LABO ZONE 5-3 BEAST SERIES)

実はこの時期、トランスフォーマーブランドは海外では幼児~6歳向け位までのおもちゃのカテゴリーになっていたって、今からだと信じられます?
シリーズは長く続くとどうしても越えられない壁と罠にはまりこみます。
それは「マンネリ」と「固定概念」
これは作り手もそうですが、売り手に持たれるとたまらない。
どんな新機軸を入れても「ああ、TFは小さい子供時代に遊んだよな」「今はアメコミフィギュアが大人のクールなコレクションものだよな」「TFってどこに行っても子供向けTOYって紹介してるよ」・・・・・・
マニアショップはあくまでも少数のニッチ層のものです。
一般の方々に売れなければ市場は大きくなれず、過去に大きな市場を形成したものだからこそ、その成功期待値と成功への厳しい視線は非常に高いものになる。
この難題への答えが、今回紹介のカテゴリーです。
シリーズの根幹の一つを大胆にトランスフォームさせたこの企画は、ハズブロのトップが「この企画はホームランだ!」と叫んだとか、ものの本には載っていたりでした。
そしてこのシリーズから新たにTFを知り、このシリーズがファーストTFですというファン層がいるのです。
たぶん、G1からの歴史上で初の世代越えカテゴリーになったんじゃないかなぁ。
市場の拡大の最大の必要要素「新たな顧客と新たなジャンルの開拓」が大きく成功した証だと思うわけです。
そんなわけで、このシリーズがないと次の成功は確実になかったであろう展開、猛獣戦争こと「ビーストウォーズの紹介です・w・ノ












ビーストウォーズは、史上初がたくさんつくシリーズになりました。
・史上初!世界初の全編3DCGのTVアニメ化
・史上初!コンボイは一部隊司令官(以降、このパターン展開のシリーズも増えた)
・史上初!動物がロボットに変形し、フル可動
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VSセットでの販売やカラーバリエーションを多く出すという(当時は各キャラ一体のみが暗黙のルールだった?)展開など、アメトイのコレクション性と可動性を取り入れたこの変形する動物たちは、日本でも生半可ない売り上げを記録していきました。
アニメもアドリブのきいたシリーズ展開が旧来のファンで論争を引き起こしたものの、TFを全く知らない人たちにはすごく面白いものとして認知されていき、結果としてTFの市場拡大と潜在的新規ファン層の開拓を確実に成し遂げました。
こうであるべきという固定概念の破壊は、商品展開も映像展開もすべてが挑戦していったシリーズでした。
(もっとも、G1シリーズもあらゆるギミックを新規につける挑戦を続けていたわけで、ビーストもその系譜を貫いているとは言えるのですけどね)
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余談です;w;
当時ビーストウォーズは熊本でテスト販売があり、私も
「日本でTFが続くなら、猛獣なんてわけわからんシリーズになってても買い支えないと!!」
(と俺こそがTFを知っているという厨二的妄想にとらわれている年代時期)と、当時のチェーン店やおもちゃ屋で3個以上は買い揃えを車を使って各おもちゃ屋を巡って買っておりました。
そこには打算もありまして、仮にシリーズがなくてもめったに手に入らないレアTFを持ってるんだ!とか、パッケージとかは変わるだろうから、それだけでもコレクター的に価値があるとか・・・・・・
やぁ、汚いなぁ、おれ=∀=;
で、正規販売が決まった時!!
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そこには、テスト販売のものに専用カードを「追加」した状態で一般販売されたビーストウォーズが!!!
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ええ、全部買いなおしましたがぁ!なにかぁっ;皿;!?
そんなわけで、テスト販売の思い出でした;w;
余談終わりっ・・・・・・
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ビーストウォーズセカンドとネオは、海外のアニメ放送形態の違いからの穴埋め的展開のシリーズではありました。
ゆえに、セルアニメシリーズというCGアニメとは違う質感&より幼年齢向けの日本市場に合わせた展開をアニメはやっていきました。
が、おもちゃのほうはビースト系がこなれた時期です。
日本向けビーストのライオコンボイ司令官は日本の市場に合わせたライオンですが、ロボモードではコンボイの意匠が大きく出るようにライオン頭部を肩に持ってくるという斬新なデザイン、敵側も機械軍団を出すことで、日本未発売シリーズや旧G1アイテムのリカラーアイテム販売、ペインティングの復活品が世の中に出ることになりました。
海外とは違いカラーリングのビーストも販売され、コレクターの闘いもますますヒートアップという、おもちゃはまさに大攻勢の時期でした。
ギミックの豊富さ、可動の面白さ、変形の面白さ、各カテゴリの多様さ・・・・・・
おもちゃコレクター的にも、セカンドの展開は実に魅力的でしたね・w・b












ビーストネオは、敵側を恐竜軍団とし、生物系のTF世界観になっています。
セカンドからのつながりもあり、今でもファンが多いシリーズになっていますね。
ですが、おもちゃのほうは進化ゆえの袋小路に入りつつあるのもこの時代でした。
完成度は日増しに高くなり、それに伴って難易度も又高くなっていったのです。
結果、ひそやかにのちの問題が蔓延していくのでした。
それは別の記事にてで、商品自体の完成度は生半可なく、ビッグコンボイ&マグマとロンの2体は今でも名作TFとしてほしがる人たちが多くいますね。
ビースト系の復刻もありかと思いますよ、タカトミさん・w・ノ










2年間で2作のアニメが展開されている間に海外放送分のストックもたまり、新たに無印の続編が展開されました。
このシリーズも日本では好評をもって向かい入れられました。
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余談です・w・
まさか仕事で連れていかれたエッチいキャバクラのおねぇさんらとビーストウォーズ談義で盛り上がるとは思わなかった経験を持つ。
ピンクパンサーみたいな会話が面白いシリーズで好きなのだと。
そうか、あのアドリブも市場を開拓してるんだなと痛感した瞬間でした。
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各キャラは生物から機械生物の流れとなり、メッキを多用したメタリックな質感の商品が展開されました。
おもちゃも名前通りのメタルスとなって展開されましたね。
海外でも日本のセカンドで展開された機械と生物融合であるサイボーグビーストみたく、複数の生物の合体(キメラ化)でのフューザー戦士展開などバリエーション豊かでした。







ビーストウォーズのTV展開はメタルスで終わりましたが、海外ではさらにもう一つのアニメシリーズが放映されました。
Beast Machinesとして展開されたそれは、結果としてビーストウォーズシリーズを終焉に導いてしまいました。
ストーリー・キャラクターの複雑化は一番の購買層の子供離れをしてしまい、一部のマニアが盛り上がるという進化の果ての結末を迎えてしまったんですね。
結果、ビーストマシーンズの有機的デザインを更にメカ化させた「トランステック」なるシリーズは企画段階で打ち切り。
日本で展開していたTFアニメを導入することで、TFの命脈をつなぐことになりました。
おもちゃのほうは相変わらずの完成度の高さを誇りましたが、日本ではTVアニメでなく当時展開されていたモバイル放送で放映されており、(その後DVD販売・カートゥーンネットワークや地上波で放映もされた)トイザらス限定の販売展開になっていました。
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ビーストウォーズのシリーズは、革新的なギミックと展開の嵐でしたが、その方向性をおもちゃも映像方向も突き進み、両方とも結果として破滅につながったのかなとも思ったりです。
あらゆる可能性を内封していたおもちゃも、いつしかビーストはフルポーザブルでリアルで変形も複雑で・・・・・・と固定概念が生まれ、映像もTF世界観を突き詰めすぎた結果ついていけない視聴者を生み出し、シリーズの終焉を迎えました。
なんというか、長期展開シリーズの大きな実験作であった気も、今から顧みると思えたりしますね。
行き過ぎる進化の果ての一つの結末というのが、個人的なビーストシリーズへの印象だったりします。
次は、メカの世界に進みますよー・w・ノ
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